鬼頭秀一・福永真弓編. 2009. 環境倫理学. 東京大学出版会.

環境倫理学

環境倫理学

第10章読了(20100415)

瀬戸口明久. 2009.「自然の再生」を問う:環境倫理歴史認識. 鬼頭秀一・福永真弓編, 『環境倫理学』所収, 160–70. 東京大学出版会.
外来種里山・自然再生事業の3つを取り上げ、それらを支える歴史認識(反省史観・共生史観)からすっぽりを抜け落ちているところを指摘する論文。歴史認識が他でもあり得ることを示し、歴史を語るときには自らの語る歴史が切り落としてしまった部分に自覚的でなくてはいけないと結論しているが、残念ながらオルタナティブを示してはいない。また、そもそも自然保護運動に主体的にかかわっている人々は、そうした自らの歴史認識が切り落としているところなど重々承知の上なのではないだろうかという疑問も湧いてくる。ある意味、筆者の言う「自覚的」と意味が異なるかもしれないが、彼らも十分「自覚的」に自らの歴史認識を語り、それぞれの自然保護運動に携わっているように思える。

第7章読了(20100422)

立澤史郎. 2009.「外来対在来」を問う:地域社会の中の外来種. 鬼頭秀一・福永真弓編, 『環境倫理学』所収, 111–29. 東京大学出版会.